この図面は竣工当時のものです
写真家の小川 晴暘(せいよう)氏が大正時代に始められた飛鳥園は、日本の仏像写真界の草分けです。また二代目となられた小川光三氏も、同じその大家であると同時に、著名な文化人としても幅広く活躍されました。
もともとこの建替え計画の始まりは、現在では三代目となられた小川光太郎氏の提案をもとにしています。
1階部分は、主屋の下階のほかに、屋外空間でつながる離れ(特別展示室)も含めて、初代からの遺産である大量の写真作品を展示するための、私設のギャラリーとして計画されました。
そして主屋の2階を会社のオフィスとしていますが、その計画と工事の設計監理をこちらでさせて頂きました。
庭に面した奥の離れは、飛鳥園を通じたご好意により分けていただいた興福寺旧建物の古材で骨組みを作り、
その上の屋根には、古代日本文化の源流の一つでもあった黒潮にロマンをはせて(小川光太郎氏の提案とお知り合いの業者を通じて)はるばるインドネシアのバリ島から職人を呼んで萱葺きをしてもらいました。
材料はよく似ていますが、葺き方がまったく異なり、日本のものと違って屋根裏をあらわした天井は、そのままで本当に見事な景色となっています。
- 面積
- 敷地面積 :689.1㎡ / 208坪
建築面積 :152.1㎡ / 46坪
延床面積 :215.8m2 / 65.3坪
- 用途
- ギャラリー/カフェ/事務所
- 構造
- 混構造(W・S・RC)
- 階数
- 地上2階
- 施工
- 株式会社尾田組
- 竣工
- 2001年4月