住真田山 EAST

建物はＲＣ造で地上７階建ての子育て世代向けの賃貸住宅（11戸）。 建て主である「だるまや土地株式会社」の賃貸住宅の中でもグレードの高い「住（じゅう）」シリーズの２作目です。 今回も引き続き「緑との共生」をテーマにしていますが、すべてがファミリー向けの賃貸住居で、前回の「住 真田山」と同じく、 温水床暖房や間接照明を設置し、セキュリティーシステムや水回りもハイグレードな仕様としています。

駅からも近く利便性の高い場所ですが、前回と違うのは、前面道路が細く、周囲も比較的小規模な敷地も多い、古い街並みの一画です。

集合住居としては比較的狭小の敷地ですが、あえて自然の緑を主役にすることで、街の景観に貢献し、 ひいては地域の活性化にもつながる建物になることを目ざしました。具体的には古い商業地域の街なみの中に、 緑のまとまった景色を少しでも埋めこむことで、居住者だけではなく、地域の人々にも四季を通じて自然を感じられる、 落ち着いたたたずまいとなるように考えました。

巾が狭くて奥深い短冊状敷地のために、道路から離れたエレベーターホールまで、 長い露地状のアプローチとなり、その奥に小さな中庭を配し、光の少なさからイロハモミジを中心にすえて、 そこに渓谷の森のシンボリックなイメージを重ね合わせました。道路際から始まる植込みは、 １階全体では約８０種類の植物が息づき、場所によってまた季節によって変貌しつつ、個性豊かに街の風景の一部となっています。

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